イドノナカ -狭い日常の憂いの喜びの-

世界の事はしらないけれど、僕は僕の事を知っている。目に見えたもの、聞こえたもの、言葉にします。

今日の一曲 vol.1 エイリアンズ by キリンジ

アンニュイって言葉をよく聞くけど、語源も正しい意味も知らなかった。

 

アンニュイ
ennui(仏)

倦怠 (けんたい) 感。退屈。世紀末的風潮から生まれた一種の病的な気分。文学的には,生活への興味を喪失したことからくる精神的倦怠感をいう。 

https://kotobank.jp/word/アンニュイ-161888

コトバンクより引用(2017/6/20)

 

なるほど、フランス語の言葉だったのか。何と無く気だるい雰囲気と言う捉えかたをしていたが、それは少し間違いなのかもしれない。ともあれ、アンニュイという言葉を聞くとどうしてもこの曲が頭に流れる。また反対に、この曲を聴くとアンニュイという言葉が浮かんでくる。某じぇじぇじぇな女優さんがエイリアンズを歌っているの良くYoutubeの広告で見る。どこか気怠そうに歌っているので、やはりこの曲はどこかそういった感じなんだろう。

 

 

この曲は夜を舞台にしている。きっと深夜も過ぎた頃。街を二人で眺めながら、空を駆ける飛行機を見つける。眠る世界から切り離された二人。その孤独感を纏う自分たちを、見知らぬ星に来てしまったエイリアンに例えて、、いるのだと思う。英語のAlianは宇宙人と訳すよりも、外国の…とかそこに属さない者と訳す方が正しいから、必ずしも所謂日本語のエイリアン(違う星から来た者)と同義ではないかもしれない。

 

曲調はゆったりと、ギターを爪弾く音と優しくも芯のある歌声。そして哲学的とも捉えることが出来る歌詞が心を捕らえる。

 

色んな歌詞の解釈がある中で、同性愛の歌じゃないかっていう解釈がある。そう思って聴くと、確かにそれを匂わせる歌詞がいくつがある。社会や世間に抑圧されて、好きだという気持ちを押し殺す人。世界が寝静まった頃にやっと抑圧から解き放されて『好きだよダーリン』と言える。そう解釈するとなんともやりきれない。このやりきれなさがアンニュイという言葉に繋がるのかもしれない。

 

僕も好きな人がいるけど、事情があって好きだと言えない人だ。僕もエイリアンなのかもしれない。